統合医療とは
医療についてのイメージといえば、内科、外科、小児科、放射線科などの診療科目、または上記科目を設置する病院施設そのものを連想される方が多いと思います。これら診療科目は全て近代西洋医学に基づく対症療法ですが、現在わが国では最も一般化しているため、真っ先に連想されやすいものと考えられます。
しかし医療は近代西洋医学に限ったものではありません。古くは中国、アジア圏で発展してきた東洋医学、文化的土壌により醸成された伝統医学もまた大変重要な医療であり、その代表である漢方をはじめ鍼灸、マッサージや柔道整復、伝統医学でいえばアーユルベーダやヨーガなどの施術も人々に大きく寄与する医療分野の一つであります。
近年、統合医療や相補代替医療という考え方が広く求められるようになった背景には、欧米を中心に広がるQOL(Quality Of Life)といわれる考え方が大きく影響しています。これは、精神面も踏まえた“生活の質”をいかに向上していくかという“生き方”の模索であり、言い換えれば「幸福な人生とは何か?」その答えを追求することです。しかしその答えは人により異なります。そこで、近代西洋医学による施術のみに頼るのではなく、あらゆる患者のニーズへ対応する医療の多チャンネル化が、患者の尊厳を守るために必要であると考えられるようになりました。
統合医療に期待されること
医療技術の進歩、公衆衛生への取り組みなどにより、わが国の平均寿命は劇的に伸長してきました。このような社会基盤の変革に伴う急速な少子高齢化は周知の事実です。これら要因によりわが国の医療費は年々増大し、財政における大きな課題となっています。
現在、この課題へ対応する一つの考え方として、統合医療や相補代替医療は効果的であると期待されています。
わが国にも昔から医食同源という言葉があるように、アジア圏では古くから人々の心身を健康に保つことで病気を防ぐという予防医学の考え方があります。栄養のバランスがとれた食事、適度な運動、文化芸術に触れて心を豊かに保つなどして、人間が本来持っている自然治癒力を高め病気を未然に防ぐという考え方です。これは、先述したQOLを最も高める最良の医療であるといえます。
近代西洋医学による対症療法は、高度な先端技術、医療機器、薬剤それぞれの研究開発に莫大なコストがかかり、臨床を経て医療現場に投下される際には患者の負担額も高額になってしまいます。当然ながら病理が不明な重病や、新型ウイルスへの対応などに、これら高度な近代西洋医学の発展が大変重要であることは疑う余地がありません。
しかし近代西洋医学と共に、原因療法を第一におく東洋医学にのっとり、心と体のみならず、スピリチュアルな視点からも病気の原因にあたることで、高額医療に代わる新たな治療を実現できないか、このことがいま統合医療に期待されているところです。
統合医療推進についての取り組み
統合医療推進議員懇談会発足
会 長 : 参議院議員 尾辻秀久
会長代理 : 衆議院議員 鴨下一郎
副会長 : 参議院議員 林芳正
衆議院議員 高市早苗
参議院議員 世耕弘成
幹事長 : 参議院議員 橋本聖子
幹 事 : 参議院議員 中川雅治
衆議院議員 伊東良孝
事務局長 : 参議院議員 水落敏栄
上記議員有志にて統合医療推進議員懇談会を組織し、2010年11月の初会合より全8回にわたる勉強会を開催しました。
統合医療推進議員連盟
平成25年11月、統合医療推進議員連盟が発足しました。
議連の基本的な考え方についてはこちらの資料(PDF)をご参照ください。
議連の歩みについてはこちらの資料(PDF)をご参照ください。
統合医療推進議員連盟最終報告書
最終報告書概要(平成27年3月18日)
統合医療の推進のために、第1章:統合医療の概念、第2章:統合医療のエビデンス、第3章:各省庁の予算要求に対する提言とその回答、第4章:国民への提言 の4章からなる最終報告書をまとめました。
水落事務局長からの報告についてはこちらの資料(PDF)をご覧ください。
概要についてはこちらの資料(PDF)をご覧ください。
本編についてはこちらの資料(PDF)をご参照ください。